LOGIN第181話 やっぱり蓮様は恋愛脳だ
蓮は、少し赤く腫れた美月の唇を見下ろした。
それは、彼にとって抗いがたいほどの魅力を放っていた。
ましてや、美月からこんな目で見られてしまえば、心までとろけてしまいそうになる。
本当に、このまま抱き上げて寝室へ連れていきたい。
蓮は喉を何度か鳴らした。
「……次からは気をつける!」
掠れた声には、隠しきれない欲望が滲んでいた。
その目にも、あからさまな熱が宿っていた。
美月はもう、あの頃の純粋な少女ではない。今や彼女は、バージョンアップしている。
もちろん、今この瞬間に蓮の頭の中を駆け巡っている、ろくでも
第182話 ビルを手に入れたなら、フロアも変えなきゃね冴はすぐに答えた。「もともとはIT系の会社でした」美月は「IT系」と聞いて、思わず片眉を上げた。このビルを買えるほど稼いでいたということは、会社の業績もかなり好調だったのだろう。オフィスの内装を見ても、社長が上品で知的な人物で、しかもかなりの資産家であることがうかがえる。何より感心したのは、賃貸契約が満了して退去する際も、ここの内装を壊さず、持ち運べる家具や備品だけを運び出していたことだ。こうしたところにも、その人物の品格が表れている。冴は社長の後について一通り見て回ったが、美月の表情を見れば、このオフィスにかなり満足していることは明らかだった。もちろん、ここで口を挟む必要はない。最終的に決めるのは、社長自身なのだから。美月はオフィス全体を一通り見て回ると、最後に一番広く、もっとも豪華な社長室へ戻ってきた。「じゃあ、もう一度きれいに掃除して、必要なオフィス用品も全部揃えて。ここへ移るわ。このフロアは、ほかの会社には貸さないで」冴はすぐに社長の意図を理解した。「承知しました、社長。すぐに発注の手配をします」美月は、冴がゲーム開発について詳しいわけではないことを思い出し、付け加えた。「発注する前に、戸田と杉本にも、何か必要なものがないか聞いておいて」冴はすぐに頷いた。「承知しました、社長! すぐに戸田部長へ確認します」
第181話 やっぱり蓮様は恋愛脳だ蓮は、少し赤く腫れた美月の唇を見下ろした。それは、彼にとって抗いがたいほどの魅力を放っていた。ましてや、美月からこんな目で見られてしまえば、心までとろけてしまいそうになる。本当に、このまま抱き上げて寝室へ連れていきたい。蓮は喉を何度か鳴らした。「……次からは気をつける!」掠れた声には、隠しきれない欲望が滲んでいた。その目にも、あからさまな熱が宿っていた。美月はもう、あの頃の純粋な少女ではない。今や彼女は、バージョンアップしている。もちろん、今この瞬間に蓮の頭の中を駆け巡っている、ろくでもない考えも読めていた。この男、本当にやりかねない。そう思った美月は、さっさと彼を押しのけた。「食べに行くよ!」これ以上恥ずかしい思いをするくらいなら、唇が少しくらい腫れているほうがまだマシだ。それに、蓮と一緒にいるようになってから、自分の羞恥心までどんどん鈍くなっている気がする。蓮は今度は彼女を引き止めなかった。「先に行っててくれ。俺は少し落ち着いてから行く」まだ治まっていないのだ。このままでは、とても階下へ降りられない。美月はその言葉を聞いた途端、足がもつれそうになった。頬が一気に熱くなり、耳まで真っ赤になる
第180話 優しさとは?蓮様、勉強中です夜、美月が帰宅すると、蓮が尋ねた。「俺が紹介した連中、どうだった?」「みんな、なかなか良かったわ」美月は蓮を見て、口元にわずかな笑みを浮かべた。「自分の人を見る目に、もっと自信を持ったほうがいいわね」その言葉を聞いて、蓮はすっかり上機嫌になった。「どうやら俺はお前から、かなり高い評価をもらってるみたいだな!」もしかして、少しは俺のこと好きになってくれたのか?蓮はやはり、そう思いたくなった。これはいい兆しだ……恋が自分に向かって手を振っている。そう思うと、気分はますます高揚した。一方、美月は蓮の目つきがどこかおかしいことに気づいた。というより……妙にねちっこい。なんだか、全身がむずむずする。「……私は先に書斎で少し仕事をしてくるわ」蓮はすぐに彼女を呼び止めた。「待て。今夜は二人で出かけるぞ」美月は思わず尋ねた。「どこへ行くの?」「夕飯を食べ終わったら連れていってやる。そのときになれば分かるさ!」蓮が妙に勿体ぶるのを見て、美月はそれ以上聞かなかった。
第179話 綾瀬と宇野冴は握手を返し、新しい上司の手の力強さを感じ取った。「ありがとうございます、社長!」美月は一人目の採用を終えると、残りの五人を見渡した。「社長、私は宇野行と申します!」「こんにちは。入社を歓迎するわ。これからあなたが警備隊長よ。警備隊の全員をあなたが管理してちょうだい。私からの要求は一つだけ――ビルに入る人は全員、受付で記帳してもらうこと。出入りのルールを決めて、あとで私に見せて」もともと美月は、自分の会社にも警備員を二人ほど置いておくつもりだった。だが、今考えてみれば、その必要もなさそうだった。一階の警備がしっかりしていれば、こちらにわざわざ人を配置する必要はない。行はすぐに頷いた。「承知しました、社長!」美月は残りの者たちに目を向けた。「皆さん、ようこそ。まずは宇野隊長と一緒に綾瀬さんとこで入社手続きを済ませて。それから下の総合監視室に行って、仕事に慣れてね。勤務時間は自分たちで調整していいわよ」「それから、具体的なシフト表の作成は宇野隊長にお願いする」美月は、こんな細かなことまで自分で手配するつもりはなかった。それぞれの職位には、それぞれに相応の権限を持たせるべきなのだ。行はすぐに答えた。「承知しました、社長!」「それじゃあ、まずは入社手続きを済ませましょう。綾瀬さんの席は、当面は隣に用意してあるわ。契約書の雛形はあとで送るから、あなたも自分の入社手続きを
第178話 復讐したいか?玉緒は、彼女が本当に通報すると聞いて、本当に慌てた。彼女はあっさり折れた。「ごめんなさい!さっきは言い過ぎたわ。許して!」美月は冷ややかに笑った。「今日のことは、ひとまず問わないでおくわ。次にまた、あちこちで好き勝手なことを言ったら、容赦しないからね」そう言い終えると、玉緒の真っ青な顔も構わず、そのまま歩き去った。一方、その場に立ち尽くした玉緒は、去っていく背中をじっと見つめていた……その眼底には恨みだけが満ちていた。ちょうどその時、後ろから声がした。「復讐したい?」玉緒はその言葉に驚き、勢いよく振り返った。そこに立っていた女性を見て、玉緒は思わず息を呑んだ。「詩穂……」もちろん、目の前にいる桐生家のお嬢様を知らないはずがない。何しろ、家柄も金も美貌も兼ね備え、学校でもひときわ目立つ存在だ。自分のような家柄では、とても気軽に近づける相手ではない。「さっきの言葉をもう一度言うつもりはないわ。聞こえなかったわけじゃないでしょう? 一つだけ聞くわ。復讐したいの? したくないの?」詩穂の表情には、高慢さだけでなく苛立ちも滲んでいた。玉緒には、桐生家のお嬢様が美月とどんな因縁を抱えているのか分からなかった。――できることなら、巻き込まれたくない。詩穂は、玉緒の迷うような表情を見ると、すぐに冷笑した。そして、そのまま踵を返して立ち去ろうとした。
第177話 なんて卑劣なの美月に話しかけるときは笑顔を浮かべていたが、その目には隠しきれない嫉妬が滲んでいた。「何か用?」美月の声は淡々としていた。「実は、大したことじゃないんだけど……」「それなら、先に失礼するわ」美月は遠慮することなく、そのまま歩き出した。玉緒は呆然とした。まさか、美月がこんなふうに返してくるとは思ってもいなかったのだ。本当に行ってしまいそうなのを見て、玉緒は慌てて追いかけ、美月の前に回り込んだ。「美月、待って!」そして、再び笑顔を浮かべた。「大したことじゃないんだけど、少しだけ話したいことがあるの」「話して」美月は淡々と言った。その口調はまるで、上司が部下に話を促しているようだった。玉緒はわずかに顔を引きつらせたが、すぐに笑顔を作り直し、何でもないことのように言った。「美月、さすが今は社長ね。話し方まで、すっかりリーダーらしくなっちゃって!」美月は冷ややかな目を向けた。「私が社長だって言うなら、私が時間に追われていることも分かるでしょう? ほかに話したいことがないなら、もう行くわね」さすがに玉緒の笑顔も、一瞬で消えた。顔に怒りが浮かぶ。だが、自分の表情がまずいこ







